レクリエーションの基本とは?【介護福祉士編】

~高齢者・障害者のレクリエーション~

ここでは介護福祉士試験に必要な「レクリエーションとは?」「高齢者レクリエーション」「障害者のレクリエーション」「レクリエーションの企画から実施まで」についての出題ポイントをまとめています。

【出題ポイント!】

①「レクリエーション」とは、「余暇(自由裁量時間)を利用して、自発的に、ゆとりと楽しみを創造すること」と定義される。
②レクリエーションは、人間の社会的欲求・知的(心理的)欲求・身体的欲求を満たす要素を持つ。
③レクリエーションには、個人の活動もグループ活動もある。
④高齢者のレクリエーション指導の際の留意点を理解しておく。
⑤障害者の治療的レクリエーションの3つの段階をおさえておく。
⑥レクリエーションの企画は、資料の収集と分析・目標設定・立案・実施・評価の5つの段階がある。

~レクリエーションという概念~

「recreation」という言葉は、「re=再び」「create=つくる」が合わさった「つくりなおし」(語源=ラテン語)が転じて「再びつくる、元気回復」するという意味があります。「余暇(自由裁量時間)」を利用して、自発的に、個人または集団で行う活動や経験であり、ゆとりと楽しみの創造を目標とするととらえられています。

~人間の欲求~

人間の基本的欲求は「生理的欲求」、人から認められたいという「社会的欲求」、知りたいとか表現したいという「知的欲求」、体を動かしたいという「身体的欲求」の4つがあります。このうち生命維持に不可欠な「生理的欲求」を除く3つの欲求とレクリエーションは、大きく関係しています。

~レクリエーション活動の3段階~

フランスの社会学者J.デュマズディエは、レクリエーションには次の3つの段階があるとしています。
「休息」・・・くつろぎ、活力を取り戻す。
「気晴らし」・・・楽しみ、気分を変える。よい人間関係をつくりだす。
「自己開発」・・・何かに打ち込んでいく中から、新たな自分を発見する。新しい人間関係ができる。

~集団生活のメリット~

レクリエーションにおいては個人活動も楽しめますが、グループ活動の意義も見逃せません。
①集まること自体が楽しい。
②コミュニケーション能力を高め、集団の中の役割を見出すことで、自己の存在価値を高める。
③共に生きることの喜びにつながる。

~高齢者レクリエーション指導の留意点~

「ウォーミングアップ」
突然動くことは、事故の元となります。
「グループ」
グループ・レクリエーションでは、メンバーの組み合わせは重要。経験や生活背景が違う人を一緒にしても、楽しめない場合があります。
「遠慮」
無理強いは禁物ですが、日本の高齢者は反射的に「結構です」と言うことが多いので、最低2度は声をかけてみたいものです。
「役目」
高齢者は「楽しいですよ」と言うよりも、「お願いします」と言われたほうが参加しやすいようです。気持ちの張りにもなるので、可能な人には何らかの仕事を引き受けてもらう工夫を。
「切り上げ時」
体力、集中力を考慮して、切り上げるタイミングを計る必要があります。
「大人」
あまりに子どもっぽいゲームなどは考えもの。認知症でも大人の意識は残っているので、同じ道具でもデザインなどに配慮します。
「プライド」
高齢者は、関心があっても自信のないことには手を出したがりません。レクリエーション指導者はそこを汲んで、有効な声かけを。

~障害者のレクリエーション~

【セラピューティック・レクリエーション】
病院、社会福祉施設などで行われる治療的レクリエーションを、セラピューティック・レクリエーションといいます(意図的なレクリエーション)。身体的、精神的あるいは社会的に障害のある人が健康を取り戻すための援助が目的なので、楽しみや親睦だけでなく、治療やリハビリテーションの要素を含んでいる点で、ほかのレクリエーションとは異なっています。
【3つの段階】
治療的レクリエーションには、次の3つの段階があります。
「セラピー」→機能向上
第1段階では障害の治療が優先されるので、治療的レクリエーションも治療の妨げにならない範囲で行われます。治療を円滑に進める配慮とともに、二次障害の防止が大きな課題となります。さらに、治療の場では見出せない、本人の潜在能力を引き出すようにします。
「教育」→余暇教育
自己責任について認識させます。自己のレクリエーションにおける行動様式などについて学習します。
「自主的参加」→レクリエーション参加
多様な活動に、自由に積極的に参加できる機会を提供していきます。「自主的参加」が、この段階の課題です。

~レクリエーションの企画から実施まで~

【プログラム展開の5つの段階】
「資料の収集と分析」
参加者のニーズの調査。過去の記録などの検討。参加者の能力などの考慮。ほかの施設や団体を見学するなどの情報収集。
「目標設定」
何のためのレクリエーションか。達成可能な目標の設定。
「立案」
実施のための具体的なプランニング。必要な道具などの確認。タイムテーブル作成。広報の徹底。
「実施」
役割分担、段取りの確認。連絡機構と安全対策の確認。天候などによる代案の準備。
「評価」
満足度や反応について、参加者からのフィードバックも考慮しながら、評価し、問題点を把握。次回へ向けて当日を振り返り、改善点などを検討する。

~インフォメーション~

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