~介護福祉士になるには?~
介護福祉士の仕事や試験についての受験ガイドを紹介しています。介護福祉士のステージは日々拡大しています。介護福祉士は、最も日常生活に密着した業務を行う介護の専門職です。介護福祉士になるには専修学校などの養成施設で学ぶか、実務経験を経て介護福祉士国家試験を受験するというルートがあります。
~介護福祉士はこんな仕事~
「福祉重視型社会を支える、専門職」
専門的知識および技術をもって、身体上または精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき、入浴、排泄、食事、その他の介護を行い、ならびにその者およびその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者(社会福祉士及び介護福祉士法第2条より)
・施設や在宅での障害者や高齢者の介護にあたる人
・本人や家族の精神的支えともなれる相談者
・医師や療法士と連携し、リハビリテーションの援助なども
・行政の担当者やケースワーカーなどとも連携し、福祉制度の紹介など、社会と利用者の橋渡し
・仕事の領域は広範囲。生活全般、法制度、医学に関する知識も必要
~介護福祉士の職場~
「活躍のステージは拡大中」
・身体障害者更正施設、老人福祉施設、老人保険施設などで拡大「介護職」として
・ケアを重視する老人病院などで「介護ヘルパー」として
・自治体から一般家庭に派遣される「ホームヘルパー」として登録され、勤務
・今後、急成長する民間企業の「介護サービス部門」など
~介護福祉士になる6つの道~
介護福祉士になるには、現在6つのルート(方法)があり、大別すると、養成施設で学ぶ方法と、国家試験を受ける方法の2つに分けられます。受験に年齢制限はありません。
【指定養成施設で必要科目を履修する4つの道】
①高校卒業など大学に入学できる資格を取得後、指定の養成施設で2年間の課程を修了する。
②福祉系の大学・短大などで、所定の福祉関係科目を修了後、指定養成施設で1年間以上学ぶ。
③社会福祉士養成所などを卒業後、指定養成施設で1年間以上学ぶ。
④保育士養成専門学校、短大保育科、4年制大学保育士資格課程、通信課程教育部などで必要な科目を終了後、指定養成施設で1年間以上学ぶ。
【国家試験に合格して資格を得る2つの道】
⑤所定の施設で3年以上介護などの実務に従事して受験資格を得た後、国家試験を受けて合格する(年齢、学歴不問)
⑥高等学校で、福祉に関する所定の単位を修得し、「実務3年に準ずる」の要件を満たし、国家試験を受けて合格する。
~受験申し込みから登録まで~
受付期間
受験申し込みの受付は、夏から初秋にかけての1ヶ月間に行われますが、毎年、変わりますので受験申し込みなどについての詳細は、「財団法人 社会福祉振興・試験センター」まで問い合わせてください。
必要書類
①受験申し込み手続きは、まず、試験センターのホームページ、または郵便ハガキで「受験の手引」を入手します。この「受験の手引」の受験申込書と必要書類をそろえて試験センターに申し込みを行いますが、受験手数料は、「受験の手引」料とともに郵便振替または銀行振り込みで納付することになります。
②受験資格によっては、申し込み時に以下の書類などの添付が必要となります。
「実務経験による受験」・・・勤務先による「実務経験証明書」。複数の施設で勤務した場合は、それぞれの証明を受けてください。
「高等学校からの受験」・・・卒業(見込み)証明書、履歴(見込み)証明書。見込みの場合は、卒業後速やかに卒業証明書、単位履修証明書を提出します。
申し込み
所定の書類を試験センター所定の封筒にいれ、期間内に簡易書留で送付します。
受験料
12500円。金額は申し込み時に必ず確認のこと。
試験
筆記試験は例年1月下旬に、実技試験は3月上旬に行われますが、この実技試験で代えて、文部科学大臣、厚生労働大臣が指定した学校等で行われる介護技術講習を受講することで、実技試験が免除されます。介護技術講習を受講しない場合には、実技試験を受験することとなり、受験者は、受験申し込み時に介護技術講習の受講と実技試験のどちらかを選択することになります。
発表
合格発表は3月末に試験センターのホームページに掲載されるとともに受験者には合否通知が送付されます。
登録
試験に合格したり、養成施設を修了して資格を得ただけでは、介護福祉士を名乗ることはできません。試験センターに登録を申請します。登録には、手数料4050円と、登録免許税9000円(収入印紙)が必要です。
~試験案内~
試験科目
①社会福祉概論②老人福祉論③障害者福祉論④リハビリテーション論⑤社会福祉援助技術⑥レクリエーション活動援助法⑦老人・障害者の心理⑧家政学概論⑨医学一般⑩精神保健⑪介護概論⑫介護技術⑬形態別か以後技術
筆記試験は、以上13科目から計120問が出題されます。介護技術講習を受講しない場合は、筆記試験合格後に実技試験を受講することになります。
筆記試験時間割
午前95分(問題56問) 午後115分(問題64問)
筆記試験会場
北海道、青森県、岩手県、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県、鹿児島県、沖縄県
※実技試験は、筆記試験実施県とは異なります。
※受験料、登録手数料等は、変更になることがあります。実施機関で必ず確認してください。
~試験対策~
①ニュースをチェック
福祉関連の法律の動き、制度の改革、あるいは人口の変化など、常に新しい情報を新聞などで確認しておきましょう。
②略語をチェック
WHO、QOL、PT、MRSAなど、介護や福祉の分野ではアルファベットの略号が多く使われます。混乱しないように整理しておきましょう。
③数字チェック
4つのP、3本柱、福祉六法、7つの原則など、数字のつくキーワードを整理しておきましょう。
④法律をチェック
福祉施設や専門職が、何の法律により規定されているか(根拠法)は、よく出題されます。条文からの出題も多いので確認しておきましょう。
⑤「認知症」をチェック
認知症に関連した出題も、最近多くなっているようです。高齢社会の大きな課題といえます。
⑥白書をチェック
厚生労働省発行の白書や、「国民の福祉の動向」といった政府の発表する資料は、読みやすく、参考になります。必ず目を通すようにしましょう。
「マークシート対策」
筆記試験はすべてマークシート方式です。難しいことはありませんが、いくつかの留意点を挙げておきましょう。
①解答用紙は曲げたり汚したりしない。
②HBの鉛筆で、はみ出さないように塗る。消す時は綺麗に。
③解答は直接記入する。後で書き写すのは間違いのもと。解答欄が1ヶ所ずれたら以下がすべて誤りとなってしまう。
④わかるものから手をつける。問題数が多いので、悩んでいると時間が不足してしまう。迷ったら解答用紙に薄く印をつけて次の問題へ進み、後でゆっくり塗りつぶす(印をつけておくのは、記入のずれを防ぐため)。
⑤わからなくても、とにかくマーク。少なくとも5分の1の確率はある。